自動詞と他動詞~述語の中でも特に重要な動詞について~

2021/03/21

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日本語文の中心は述語ですが、その述語の中でも、特に重要なものとなるのが動詞です。動詞は、自動詞と他動詞とに分けられます。この記事では、自動詞と他動詞のそれぞれについて説明したうえで、その区別の方法についてもご説明していきます。

自動詞と他動詞

自動詞とは、「~を」という目的語を取らない動詞であり、「~が+動詞」という文章の形となります。例えば、「雨が降る。」や「太陽が輝く。」といった文章は、自動詞が用いられている文章です。
他方、他動詞とは、「~を」という目的語を取る動詞で、「~を+動詞」という文章の形になります。例えば、「本を読む。」や「子どもが絵を描く。」といった文章は、他動詞が用いられている文章です。

自動詞と他動詞とを区別する

自動詞と他動詞とはどのように区別することができるのでしょうか。

まず、イメージとして共有していただきたいのが、日本語における自動詞は、自然現象等の物事が自然に生じることを表すものが多く、他方、他動詞は、人間が起点となり物事を起こすことを表すものが多いということです。

そして、日本語文法的な区別の方法は、目的語を伴うものか否かという観点で区別することです。すなわち、目的語には通常「ヲ格」を伴うので、「ヲ格」を伴う要素があるかによって区別します。
 
以上を踏まえて、下記の動詞が自動詞と他動詞のいずれに当たるかを考えてみて下さい。

 単語①:実る
 単語②:飲む
 単語③:会う

単語①の「実る」は、「りんごが実る。」といった文章を作ることはできますが、「りんごを実る。」という文章では意味が成り立ちません。したがって、「ヲ格」を伴うことはできないため、自動詞です。

単語②の「飲む」は、「コーヒーを飲む。」といった文章を作ることができるため、「ヲ格」を伴うことができます。したがって、「飲む」は他動詞です。
 
単語③の「会う」は、「母親が友達と会う。」といった文章を作ることはできますが、「母親が友達を会う。」という文章では意味が成り立ちません。したがって、「ヲ格」を伴うことはできないため、自動詞です。なお、「会う」は、このように日本語では自動詞となりますが、英語(see,meet)では他動詞となるので注意が必要です。

このように、日本語文法における自動詞と他動詞とは、通常、「ヲ格」を伴うか否かという観点で、シンプルに区別することができます。

目的語ではない「ヲ格」

もっとも、1つ注意点があります。下記の例文をみて下さい。

 例文:子供たちが歩道橋を渡った。

この文章の述語は、「渡った」です。そして、「歩道橋を」とあるため、一見、「ヲ格」を伴っているようにも見えます。
しかしながら、この例文における「歩道橋を」は、通過点を表す「ヲ格」であり、目的語を示すものではありません。

「ヲ格」が、目的語を示すものなのか、例文のように通過点や移動の起点を示すものなのかは、「ヲ格」で示されている要素を主語にした受身文を作ることができるかによって判断します。
例文で、「ヲ格」で示されている要素である「歩道橋」を主語にした受身文を作成すると、下記のようになります。

 歩道橋が子どもたちによって渡られた。

このような表現は、日本語では不自然ですよね。このように、形式的に「ヲ格」を伴う動詞であっても、そのすべてが他動詞に当たるのではなく、「ヲ格」を伴っていても、それが「通過点」や「起点」を示す場合には、自動詞に当たります。
このような動詞には、上記の例文で用いた「渡る」以外にも、「出る」、「離れる」、「歩く」、「走る」といった動詞もありますので、ご注意ください。

最後に

この記事では、自動詞と他動詞とは何か、その区別の仕方についても見てきました。動詞は、日本語文の中心となる重要な要素ですので、「ヲ格」をとることができるかという観点を持つことは重要です。ぜひ、日本語文法をマスターして、美しい日本語文を作成できることを目指してみてください。

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