日本語らしい表現~「は」と「が」

2021/03/09

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この記事では、私たちが普段何気なく使用している日本語らしい表現のうち、「は」と「が」という助詞の使い方をみていきたいと思います。

「は」と「が」の使い分け

「は」と「が」は、学校文法ではともに主語を表す助詞として学習しますが、日本語を母語とする方々は、これらを無意識に使い分けているのではないでしょうか。ここでは、この2つの助詞の使い分けについて考えてみたいと思います。まず、下記のような場面を想像してみて下さい。

~ある馴染みのお店にて①~

店主「いらっしゃいませ!今日はもしかしたら以前話していた鈴木さんが来るかもしれませんよ」
あなた「おお。ぜひ紹介して欲しいです。」
―鈴木さん来店―
店主「こちら鈴木さんです/こちら鈴木さんです」

多くの人は、最後の店主の台詞は、「こちら鈴木さんです」が自然な会話だと感じるのではないでしょうか。「は」と「が」の使い分けには、いくつかの規則がありますが、その中の1つとして、聞き手にとって分かることか分からないことかという基準があります。聞き手に分かるかを決めるのは話し手であり、聞き手に分かることを旧情報、聞き手に分からないことを新情報といいます。旧情報には「は」を付け、新情報には「が」を付けます。

上の場面において、店主が紹介してくれる人が聞き手にとって鈴木さんであるということは分かっていたため、鈴木さんは旧情報になり、一方、こちら(目の前にいる人)が新情報になります。なので、こちらという新情報が主語となっていることから、「が」が付きます。

では、次は、頭の体操として下記のような場面を想像してみてください。

~ある馴染みのお店にて②~

店主「いらっしゃいませ!今日は、あなたが好きそうなボトルが入ったからおすすめですよ。」
あなた「それ貰おうかな。」
―鈴木さん来店―
店主「ちょうどいいところに来ましたね。あなた、こちら鈴木さんです/こちら鈴木さんです。」

どうでしょうか。このような会話の流れでは、店主の最後の台詞は「こちら鈴木さんです。」が自然と感じた人が多いのではないでしょうか。これは、鈴木さんが来店する前に、店主との会話で鈴木さんの話が出ていないため、聞き手にとって鈴木さんが新情報となります。一方、こちら(目の前に人がいること)は分かっていますから、聞き手にとって旧情報になります。なので、旧情報が主語となっていることから「は」が付きます。

まとめ

「は」と「が」の使い分けは、普段気がつかない微妙な使い分けとなることもあります。皆さんも会話に違和感を覚えたときは、意識的に確認してみると正しく使い分けやすくなると思いますので、参考にしてみてください。

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