日本語文の必須要素と文型

2021/03/01

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日本語の文は、その文において中心となる述語との関係で、必須の要素とそうではない要素とに分けることができます。この記事では、どういった要素がなければその日本語が文として成り立たないかを説明した後に、日本語の文型について説明していきます。

日本語文における必須要素とは?

まず、日本語文における必須要素を検討していきます。ある要素が、その文における必須要素に当たるかは、その要素を削除した場合に文章として成り立つかどうかによって判断します。また、必須要素以外の要素、削除したとしても文章として成り立つ要素のことを随意要素と呼ぶことにします。以下、具体例を用いて説明していきます。

例文:鎌倉で花子が鳩サブレを太郎と買った

例文1:花子が鳩サブレを太郎と買った
例文1は、「鎌倉で」を削除した文章です。この場合、どこで買ったのかが不明になるだけで、「買った」という述語との関係において文章は成立しています。したがって、「鎌倉で」は随意要素です。

例文2:鎌倉で鳩サブレを太郎と買った
例文2は、「花子が」を削除した文章です。「買った」という述語との関係において、誰が買ったのか分からなくなっており、文章として成立しなくなっています。したがって、「花子が」は必須要素です。

例文3:鎌倉で花子が太郎と買った
例文3は、「鳩サブレを」を削除した文章になります。「買った」という述語との関係において、何を買ったのかが分からなくなっており、文章として成立しなくなっています。したがって、「鳩サブレを」は必須要素です。

例文4:鎌倉で花子が鳩サブレを買った
例文4は、「太郎と」を削除した文章です。「買った」という述語との関係において、「太郎と」という一緒に買った人が分からなくなっても、文章として成立しますので、「太郎と」は随意要素です。

以上のことをまとめると、「買った」という述語に対して、必須要素となるものを残した文章は、

花子が鳩サブレを買った

となります。

必須要素と文型

日本語文法においては、文章が成立するための必要最小限度の要素の組み合わせを「文型」と呼びます。上記の例文において用いた「買った」という述語では、「~が~を+動詞(買った)」の文型になります。他に、例えば「降る」では「~が+動詞(降る)」、「反対する」では「~が~に+動詞(反対する)」という文型になります。日本語文法においては、このように、述語ごとに文型が考えられます。代表的な述語について文型を類型化すると、下記のとおりです。

文型1:~が+動詞or名詞or形容詞
文型2:~が~を+動詞
文型3:~が~に+動詞
文型4:~が~と+動詞
文型5:~が~に~を+動詞

上記の文型のみですべての述語に対応できるわけではないですが、代表的なものを覚えておくと意味の通る文章を書く助けになるでしょう。このように、動詞と文型中の「が」や「を」に当たる格助詞とを適切に組み合わせることによって、正しい日本語の文章をつくることができます。

最後に

日本語を母語とする人は、日常生活の中で適切な文型を習得し、知らず知らずのうちに、適切な述語と格助詞の組み合わせを用いて文章を作っています。もっとも、日本語を母語としていても、無意識のうちに完璧にこれらを使いこなせる人は多くはありません。違和感にある日本語文に出会った際や、文章の校正を行う際には、述語と格助詞の組み合わせに着目することが、正確な日本語文を作成するための助けとなることでしょう。

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